ツタンカーメンに会いに行こう!

特にエジプトに興味がない方でも、「ツタンカーメン王」と聞くと、あの「黄金のマスク」を思い浮かべるでしょう。8歳か9歳で王位を継承し、19歳ぐらいで夭折した「少年王」が、業績ではなく、「黄金のマスク」によって、エジプト史上最高の知名度を誇っているのです。昨年末から、横浜で「ミステリー・オブ・ツタンカーメン」という“体験型古代エジプト展”が開催されていて、王が埋葬された玄室や、「黄金のマスク」や玉座をはじめとする130点以上もの副葬品を精緻に再現した“スーパーレプリカ”、さらにプロジェクション映像による王の生涯などが話題となっています。

黄金のマスク

1922年にルクソールの「王家の谷」でツタンカーメン王の墓が発見されると、考古学史上20世紀最大の発見として脚光を浴びました。墓は3300年以上もの間、奇跡的にほぼ未盗掘のまま砂の下に眠っていたのです。この王が生きた新王国時代は古代エジプトの最盛期で、墓からは美術工芸品としての価値が高い副葬品が大量に出土しました。特に黄金のマスクを着けた少年王のミイラに多くの人が魅了され、無名だった王は一躍、エジプト史きっての大スターになりました。

ルクソール 王家の谷

ツタンカーメン墓内部

今回は、スーパーレプリカではなく、迫力満点の本物を見に行きましょうというお誘いです。このエジプト美術最大と言える作品群は、長年エジプト考古学博物館で展示されてきましたが、今年11月、ギザに開館する大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum 略称GEM)に移され、より多くの副葬品が展示される予定となっています。GEMは、単一文明の博物館としては世界最大、考古学博物館としても世界最大規模で、約50万平方メートル(東京ドーム10個分以上!!)の敷地には、修復センター、図書館、会議施設などが併設され、観光・研究・教育の一大拠点となります。GEMの建設には、日本の政府開発援助(ODA)が大きく関わっています。日本政府は円借款を通じて多額の資金援助を行い、併せて技術協力や人材育成にも尽力しました。JICA(国際協力機構)を中心とした日本の専門家チームが修復作業を支援し、特にツタンカーメンの副葬品の取り扱いや保存については、日本の技術が高く評価されています。

エジプト考古学博物館

大エジプト博物館(GEM)

2005年に建設が始まりましたが、パンデミックの影響で完成が遅れ、さらに中東情勢の悪化などにより、幾度も開館が延期されました。2024年10月に一部のギャラリーのみオープンしましたが、この秋、ついにグランドオープンを迎えることが出来そうです。博物館最大の見どころは、なんと言っても「黄金のマスク」や「黄金の玉座」などを含むツタンカーメン王の貴重なコレクション約5000点を集めたギャラリーです。また、「クフ王の太陽の船」(2021年8月に復元された)も大ピラミッド横のギザ太陽船博物館から移されます。さらに、最先端の展示技術を駆使した「体験型ミュージアム」の実現も楽しみです。
遺跡で味わう感動もエジプト旅行ならではの大きな魅力ですが、GEMで体験するエジプト、そしてツタンカーメンがさらに旅を有意義な思い出深いものへと誘ってくれることでしょう。 

大エジプト博物館(GEM)夜景

ラムセス2世の巨像 高さ11m

 

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